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2023 / 08 / 27  21:29

SHINYAKOZUKA ISSUE#3 New Arrival.

 

 

Retikleです。

 

相変わらず暑い季節ではありますが、少しずつ陰りは見えてきた夏。

 

こんな季節でも2023AWは盛り上がっています。

 

今回は新入荷であるSHINYAKOZUKAのISSUE#3コレクションをご紹介。

 

 


 

ISSUE #3 ‘AUTMUN WTINER CLLECTOION’ 

 

落語が好きです。 

厳密に言えば、立川志の輔師匠の落語が好きで、自身の憧れの対象の1人です。 

言葉のみで聴き手の脳内のスクリーンに映像を浮かばせて仕事をするという 手ぶらで来て、手ぶらで帰るというスタイルにも、常に物質を作っている身からしたら非常にかっこいいなと思っています。 

自身にとっての言葉というツールの最上級のフィルターは落語になっています。 立川志の輔師匠と春風亭昇太師匠がテレビ番組で、 

「おーい、〇〇さーん」

という声の大きさでその家の部屋の大きさを表したりするや、

「おい、向こうからいい女がやってきた」

というと、 それぞれの「いい女」を想像するといった事をおっしゃっていて、 

凄い!と感動すると共に、その若干のニュアンスの違いや言い方でイメージが変わるということが、

自身が英語を話す際に感じる 「日本語で言うと、もうちょっとこういうニュアンスなのになぁ」とか 「英語のこのストレートさは日本語の際には柔らかくなってしまうな」

という感覚と似ているなと思いました。 

エラ・フランシス・サンダース氏の本‘翻訳できない世界のことば’ のように、

ひとつでは訳しきれない、違った角度から見ればまたフレッシュに見えるような事がやりたなぁとぼんやり思っていました。 

そのまま言葉や会話について考えると、こういった翻訳できない言葉や、 そもそも英語力が母国語よりも半分以下で会話する場合など、

そこには未完成のものを自分で補完する状態が多々あると思いました。 

ネイティブ同士での会話でさえ、ちょっとしたニュアンスの違いで補完する内容が変わり、お互いが見ている景色がガラッと変わると思いました。

西洋の首や頭のない彫刻やサクラダファミリア、侘び寂びといった未完・不完全の美はその方が風情があるといった側面もあると思いますが、 

補完して自身の理想に近づけているという側面もあるのかなと思いました。 というか岡倉天心が似たような事を言っていました。 

ファッションの素敵なところはルックやランウェイを見て、このルック素敵・このルックのようになりたいと思う側面もありますが、 

1フリックで正解らしいものが見られる現在だからこそ、自身で補完して自身で正解にする

みたいな在り方のコレクションが一つくらいあってもいいのではないのでしょうか。 

 

 

1: SUPPLYMENT SCAPE 
補完する景色 

未完成ではなく、補完するための余白をデザインする
余白をディテールとする 布と身体の余白もディテールとする 

 

2: OTHER’ S PROJECTION 
他人からの投影 

小さい頃に、「自分が見えている赤は他人から見たら同じ赤に見えるのか?」とよく思っていて、 

言葉のニュアンスが受け手によって違うように、 もしかしたら他人にはこうみえているかもしれないという If の世界でデザインする。 

科学的にそうじゃなくても、そう思うことでデザインの隙間が生まれ、素敵だなと思っています。 みんなルイジギッリの写真のような景色に見えていたら素敵な世界なんじゃないかと勝手に思っています。 

3: WORD PLAY 
言葉遊び 

服の品名等のワードや色んな解釈ができる言葉で遊んだモノを作成 

 

初めの話に戻りますが、

立川志の輔師匠と春風亭昇太師匠が 「おい、いい女が向こうからやってきた」 というと、それぞれの「いい女」をそれぞれのスクリーンに投影してくれる。 

お客さんに仕事させているだけという落語家らしいオチと

それぞれの正解で鑑賞できるという幸福値が結構高めなところが素敵だなと思っています。 

是非、これを読む・ランウェイを見るみなさんにもそれぞれの正解が見える補完メガネをかけて

ご覧になっていただきたいです。 

やはり私は、理解される服ではなく解釈される服が作りたく、

そういったものが必要なんじゃないかと思っています。 

今回の ISSUE のタイトルも補完して読めるようにしてあります。 

では、

 

 「おい、向こうから理想のルックが歩いてきた」   

 

 




 

SHINYAKOZUKAの中でも毎期非常に人気が高いデザインニットシリーズ。

 

こちらは"Benjamin West"という画家の、未完成で終わっている絵画を落とし込んだジャガードニット。

 

「あえて未完成の絵画を採用することで、キーワードの1つの"SUPPLYMENT SCAPE"を表現しています。

余白の部分をそれぞれ補完してお楽しみください。」

 

 

糸はチクツキの無い肌触りの良いキッドモヘアを使用し、

仕上げに起毛加工を施して全体的にボカした雰囲気に。


適度なコシとボリューム感もあり、空気を多く含むので保温性も抜群。

 

 

 

 

裾と袖は敢えてリブを付けず、ラフな印象に。

 



こちらは女性が水を注いでいる後ろ姿を描いた"Vilhelm Hammershoi"の絵画を落とし込んだジャガードニット。

 

「基本出無精なのか、家や部屋のモチーフが好きです。 今回のパウルクレーも家や街並みに見えますし、家の中を多く描いたハマスホイもやはり大好きです。 着るはもちろん、家の中に飾っていただければデザイナー冥利に尽きます」

 

 

 

 

毎期思うのは、この丈感と全体のバランスの良さ。

キッドモヘアを贅沢に使用したジャカードニットの魅力というものを最大限引き出しています。

アウターとしても長いシーズン使いたくなるニットです。

 

 

今回のコレクションで一番異彩を放ち、話題となった「もういやだ」の文字が前面に打ち出されたニット。

 

 

 

極端なショート丈と極太スリーブが非常に特徴的。

糸はエクストラファインウールを使用した、無撚りに近い柔らかで軽いブークレー糸を使用。

防縮ウールを使用しているため手洗いも可能。

 

"「もういやだ」という言葉は一見ネガティブなワードですが、語尾に矢印が上に向くと、言っている人も言う対象もポジティブな場面になるという、ちょっとしたニュアンスで景色が変わる言葉だなと思い、作成しました。海外の方が読んでも「もういやだ」と聞こえるようにこのような品名にしています"

 

 

こちらもエクストラファインウールを使用した、無撚りに近い柔らかで軽いブークレー糸を使用。

後ろに描かれた落語家。

 

「ISSUE#3の中で立川一門を作りたく、立川ニットや立川シルクなど、言いたいだけのきっかけで始めたデザインです。一応、大喜利で上手いことを言いすぎて、座布団が積み重なり月まで行ってしまう、ただ遠すぎで次のお題が聞こえないというストーリーです」

 

立川一門とは落語の団体の一つ、「落語立川流」の流れを汲む一門。

落語界でも著名な七代目立川談志の元で創設されました。

 

 

私自身落語は好んでよく聴き、桂米朝、三遊亭圓生、古今亭志ん生など様々な落語家が好きです。

その中でも立川談志もまた独特な解釈から来る語り口、表現などで私も非常に影響を与えられました。

中でも立川談志の「粗忽長屋」は真骨頂であると思っています。

そういった「落語」がモチーフとなったこの「立川カーディ」は個人的にも好きな一着。

 

 


 

他にも様々なアイテムが入荷していますが、今回はニットに絞りご紹介。

まだまだ多くのアイテムがお待ちしています。

是非そちらもご覧くださいませ。

 

Retikle オカモト


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